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『サイド』

2006/08/05 (Sat)

帝都星見台檻ノ月特別講義
第八回 『魅せる者』 より抜粋




今日はまぁ、突拍子も無い話を一つ。
とは言っても僕はこんな事をに日常的に思考するわけだが。


世界には、自分が憬れて止まぬものや、
どうしようもなく惹かれるもの、
理由もわからずに魅せられてしまうものが、確実に存在する。

個々によりその度合、対象は違う。
それは人であったり、物であったり、
あるいはソレを使って切り取られた世界であったりする。
自分自身の意外性、なんて事もあるのかもしれない。

では、僕らはただ魅せられる側に立つだけなのか。
彼等からたなびく不思議な感覚に揺らされているだけなのか。
否。
魅せるモノに対して、僕らの心や身体は何らかの形で些細な干渉をしようとしている。
物質的な干渉、精神的な干渉、或はそのモノの運命に関わる干渉。その方法たるや膨大な数を持ち、程度やその深さもケースバイケースだ。
魅せる者への何らかの干渉、それによって僕らの《魅せる者への欲求》は一時的に抑えられ、その状態が恒常的に続いてゆくことによって各方面への被害が最小限に留まっているとも言えよう。

だがしかし、《魅せる者への欲求》が何一つとして叶えられないケースが、哀しいながらこの世には存在する。例えば僕らの主たる研究素材、星や流恒星などがそうだ。
大きな星見筒や天球儀に向かう度、僕ら星見の者達は数々の星を身近に感じ、掌中に収め、自分だけが此の星と対話しているかのような錯覚に陥る。そうして飽くこと無く星を見上げているうちに、幾つかの発見をしたり、今までの事象との違いを見つけたりする訳だが。

まさにその時、星に向けられていた眼差しが研究録とを行き来するその間、星を手放す瞬間に、君達も何かを感じた事があるのではないかな。
虚空の喪失感、炯々とした星と紙に記された符号との落差。
言い様は種々あるかもしれないが、自分の願って止まない対象に逸れられ、突っぱねられたようなその感覚こそが《魅せる者への欲求》が満たされなかった時に生まれるものなのだ。

その感覚を、どうしようもないものとして放って置く者も少なくない。
だが、それで良いのだろうか。本当にその事は君の手も足も出ない領域の事だったのだろうか。温存して鑑賞するのみに止め、干渉する事無く、そっとしておくべきだったのだろうか。

僕には、はっきりと首肯してしまう事はできない。それは君達自身が、生きている限りその身に問うこと以外の何物によっても解決されはしない。
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