思考社
いんふるえんす我丞の情報発信基地。
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『見たくない私と、言いたくない君の話』
「見たくない私」はメドゥーサの瞳を持つ魔女。
その瞳は他人を害するゆえに、魔女は自分の瞳を失うことにする。
物理的に閉ざされた視界。頼りになるのは聴覚。
失った視覚情報を補うように、魔女は沈黙さえ読み解くようになる。
やがて魔女のわかることは視界よりも遠く、聴覚の範囲に及んだ。
「言いたくない君」の仕事は守番。
他人に知られては困る事が多い、秘密の多い仕事だ。
何を守っているのか、どのように守っているのか、何の為に守っているのか。
言ってはならない事、言いたくない事が多い。多い。
それゆえ、守番は口を閉ざすのが習いになった。
魔女が瞳を失った時、守番は喜んだ。
言葉のない自分の存在は魔女の世界から消え去った!
ところが魔女は、何も言わない守番の沈黙を読み解くようになる。
ついに魔女は、知られては困る事を知るようになった。
守番はわけがわからない。
わからないのだ。なぜ、魔女がそのことを知っているのか。
だからわかることに執着した。
わかることは何か。
守番が唯一魔女に関してわかることは、魔女を殺さなくてはならないということだ。
それが、守番の仕事だからだ。
守番は仕事を終えた。
なすべき、とされたことは皆終えた。
魔女はこの世界から消え去った。
守番はどうなったか。安堵したか。
いいや、全く。
自分が黙ったところで、
魔女の視界が消えたところで、
音が届かなくなったところで、
そんなものは役に立たない。
魔女はどこかで、守番の沈黙を読み解いているに違いないからだ。
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ふんふんふん
>ぺー太郎
書くときは書きますよ。そして書きながら、読みながら悶々としてるよ、わたしもね。
森番が、自分の安心のためにどんな方法があるか、魔女と話をしていたら、少しは違ったのかもしれませんし、そーでもないのかも、しれない。
やつも哀れなのです。
書くときは書きますよ。そして書きながら、読みながら悶々としてるよ、わたしもね。
森番が、自分の安心のためにどんな方法があるか、魔女と話をしていたら、少しは違ったのかもしれませんし、そーでもないのかも、しれない。
やつも哀れなのです。
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HN:
我丞
性別:
非公開
職業:
人の話きく人
自己紹介:
人間27年生。
セクマイ道7年生くらい?
心理臨床とセクマイと発達凸凹を応援するよ!
ここにあることばと存在が、私のプロダクト。
見て、わからないことは聞いて。
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