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思考社

いんふるえんす我丞の情報発信基地。

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2024/05/10 (Fri)

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夕暮れリウム-10-

2009/09/06 (Sun)


夕暮れリウムに夜がくる
黄金色のたそがれは
僕らを迎えて星を見る

昏々とした闇だろう?
云数年も、昔の光

またたき消える灯りの音に
告げられ出るは
藍色の空
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夕暮れリウム-9-

2009/09/04 (Fri)


「てぇ、撃てぇ!」
こぞって集まる少年の背
そこだけ元気な射撃の光

「すっげぇんだぜ、ここの景品」
「そぉそ、俺の兄ちゃん持ってるけど
もぉ、やっべーの」
筒先ねらうは天辺近くにどんとある
一等賞の紙ぶくろ
どの景品にも勝れるそれは
遠目からでは何とも分からず

「ねぇ、一等のそれ、何なんだい?」
ぴたりとそろって、少年たちは肩をすくめる

「知らねぇ、でも他じゃ滅多に
手に入んねぇんだ」

「ああ、あんたもやってよ
子供の腕じゃ高すぎんだよ」
一丁差し出された木製の筒。
ほらほら、ズルは無し。おねぃさんの一言で
戻された鉄砲

追いかけて止めた自分の
手のひらを開く。

汗ばんでじっとりと
ステージを待つ役者のようだ。

もろい木の筒、この手の汗で
溶けやしまいか。

それともそんなに、脆くはなかっただろうか。


震えを抑えて去った
いずれにしても、その時は、

夕暮れリウム-8-

2009/09/03 (Thu)

ぱんぱんぱんとはじけだす
はざした米の、菓子屋の音
にじ色にてる噴水の横
ぽんぽんぷしゅんと
米が落っこち
ついばむ公園鳥はライトで
ぐるぐる回って見える。

「あれが良いの」と甘える声で
男の隣で女が示す
色マニキュアの爪が欲しがる
白い菓子にはちょっとした秘密。

米より値高い、とっときの
その身が砲身に篭められて
ちっちっちっちと車が回る
無味乾燥な一分と半に
女は男と口づけをした。

時のめぐりを告げるは香り
ぱぁん、ざらんの爆音で
世界は戻る、元に戻る。

砕かれ細かいその元は
ほんとは、デザートになるはずがなかった。
「アイデア次第」と書いて添えられ
スパゲッティはお菓子になった。

夕暮れリウム‐7‐

2009/09/01 (Tue)

夕暮れリウムにはぐれた子供
子連れの猫にひきとられ、慣れぬ四足歩行
母猫についてゆく

代わりの母さん心得たもので
泣けばざらざら舌で涙をぬぐい
冷たいお手てに毛並みをあてがい
仔猫にしてやる毛づくろいも
何もかもを我が子のように。

やさしい、あったかい
猫の手尽くしの愛情で
ほのり、ほのりと、笑いだした。

口元をごらん、手をごらん
ぴんぴんはねる、ほっぺのおひげ
丸めた、こぶしにあるのはなぁに?

もう心配ないと、猫の子一匹ついてゆく
“お母さん”のあと、ついてゆく

夕暮れリウム‐6‐

2009/08/27 (Thu)

「おぅい」
一人はぐれた雑踏の中、どうにも見知った
呼び声がする
「おぅい」
どこで聞いたか?この声は。
どっちでしている?この声は。

「居るんだろーぅ?」
間のびの目立つ、人ごみの中
ぐるり見渡す、頭のむこう
ふらふらゆれる、手が見える
「おぅい、気づいてくれよぉーぅ」
かきわけ、あやまり、しゃがみこみ
物見のあかりを押しのけて
ほかり、あいた人波
ここらだろうか?
見上げた空に、待ち人は無し。

「おぅい」
ふりかえる肩ごし、すれちがうのは

追ってはいけない
呼び声の手

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HN:
我丞
性別:
非公開
職業:
人の話きく人
自己紹介:
人間27年生。
セクマイ道7年生くらい?
心理臨床とセクマイと発達凸凹を応援するよ!

ここにあることばと存在が、私のプロダクト。
見て、わからないことは聞いて。

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