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思考社

いんふるえんす我丞の情報発信基地。

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―if―  『戦争』にリアリティーを “母の悲しみ”

2010/02/16 (Tue)



「いってきます!」
元気よくランドセルを跳ねて、娘はドアを開け、出て行った。
足音がアパートの階段を降りるまで、根気よく待ってしまう。やっと1階の駐輪場へ見えた小さな身体に、出来るだけ大きく手を振った。こちらを向いて笑っている、あの笑顔が今夜どうなってしまうか考える。
「いってらっしゃい」
それ以上何も口にできなかった。


今朝も、お弁当箱に余りのハンバーグを詰めながら、口元に緊張を覚えた。
ついに、この日が来てしまった。
いまこの時、同じ時間、同じ思いで朝食やお弁当の支度をしている親が一体どれほどいるだろう。
そうした新聞の投書欄を読んだのは、数日前のことだった。


“平和のために義務を果たして”

我が子は2度目の参戦です。今朝、嫌がる子供を叱りつけ最後には「平和のため」と言い含め、親二人泣きながら見送りました。
自分が代われるものなら代わりたい。当然です。何が起こるか予想もつかない戦地へ、進んで子供を送り込む親はいないでしょう。
見送りの言葉が「お国のため」でない事、そして生きて帰ってくる事だけが、昔の親との違いです。


子供たちが実際の戦闘に参加する事はないし、外国から逃れてきた語り部の講演会に出るのでもない。日本国が最後に体験した戦争、第二次世界大戦からとうに200年は経っている今の時代、戦中・戦後世代はおろか、被テロ世代でさえ少ない。
一般人において、直接的な争いの体験は失われたと聞いている。

けれど今、国民の3分の1は戦争の記憶を持っている。
脳への刺激によって“戦争を経験する”機械が開発された。それが8年前。
1年としないうちにプログラムが始まった。
それも、子供優先で。
発表のすぐ後、ネットで教育担当大臣の会見があった。
理由は「未来を担うべき存在」だから。
当時は、誰もが信じられないと言っていた。
2度目には泣いて嫌がるという“参戦”。
一体どうしたらそんな事が出来るのかしら。
でも現に、そういうプログラムが動いている。
国民すべてに義務づけられたプログラムが。
“反戦意識”効果も出ているのだそうだ。

きっと本当の事だろう。
そっと頷く。


ひとり戻ったアパートのキッチンで、朝食の皿を水に浸し小さな茶碗を見つめた。
あの子はどうしているだろうか、と。
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飽食のとき

2010/02/15 (Mon)

彼と食べたかったクレープ
生クリームとチョコレート、お馴染みバナナの甘い味
いまどきのワカモノみたいな真似をして。

思い出すのは19の春。
約束は露。消えたのは嘘。

さよならはいつも自分から。
指先が紡ぐ弱音を聞きながら、
思い知るのはいつもそれだけ。

食べられなかった、甘さが哀しい。

-if-  『戦争』にリアリティーを “戦争体験”

2010/02/12 (Fri)

空気が爆ぜた。
「こっちだ、二人倒れてる!」

救護班配属になった時は、心からほっとした。
それで。
開戦してすぐ、何も感じなくなった。

土塁の上に投げられた身体を力づくで引っ張る。
重い荷物のような身体を、3人がかりでずるずると下ろす。担ぐ。2つまとめて泥濡れの担架に積む。持ち手を掴む。
徽章に添えた、生成りの縫いとりに目がいってそのまま、止まってしまう。

腕も片目も無い身体。
ああ、これ、
“かっちゃん”だ。
土まみれの親友に、肺が固まる。

「急ぐぞ」
班長の声が割り込んで、走る。
走る走る走る。

もうひとつ爆撃が来て、行く手を弾がふさぐ。
逃げる。
走る。
走る走る。
泣けてくる。
吹き飛ぶ。

運動会のゴールを目指すより強く、地面を蹴った。
指先が石を掴む。
すぐ、もうすぐ。

どうにかブロック積みの救護所へ駆け込み、最後の1ダースが銃剣を仕込むのとすれ違う。

あの人達が倒れたら、私も手榴弾を手に前線へ出ていくんだ。
しびれた腕に血流を取られ、ぼんやりと思った。走りづめのせいか、それ以上は何も考えられない。それがよかった。

「佐々木、三木、やれるな」

班長の言葉にうなずき、もう一人の気道確保を始めた。
かっちゃんの傷はもう一人が、もたもたとやりはじめる。
どこからも文句は出ない。やり方が悪いなんて、だってこいつも、たった数時間の訓練しか受けてない。
泥の手で目尻をぬぐう。
かっちゃんもそうだった。
徴収されてきた同学年のヤツらみんな、同じだと思う。
いっぱいやられて当然だ。

人工呼吸をする間、砲撃が2度あった。いまに街の方へ絨毯爆撃がくる。
まだあっちに対空砲あるかな。
マンションの地下壕は、平気?
お母さんはパートの時間で、

「佐々木、次」

三木が処置を終えて立とうとする。
がくがくする踵に重みを乗せ立つ。
そうだ、次のに行かなきゃ。
手の赤い血を、冷えたかっちゃんの服で拭った。
そして立って、歩き出した。

目を向けらんなかった。
ついに一言も話しかけなかった。
なんでだろう。
濡れたところがあったのか、頬の土が湿ってる。

もうすぐ終わる。

影響してくるやつ

2010/02/10 (Wed)


自分に影響を与えてくるモノは、世の中にいっぱいある。
例えば、
・有名人の言葉とか、
・大切な人の言動とか、
・尊敬する人の考え方とか。

「影響されていたい」って思う存在の周りは、人生にプラスのような気がする。幸せ気分。

だからそのまま側にいたくて、
しだいに“その人色”に染まってく。

でも、影響されていたい人と一心同体じゃない。
目指すところは同じ。でも、違う考えが芽を出す自分の中。
ジレンマだ。
内心汗だく、一緒になれない自分に違和感。

止まる足は怯えて固まる。
震える喉は声も出せない。

染まりたい色になれない自分。
化学繊維の青い布。
漂白される?
木綿になる?

自分の本質に蓋して変わる、
それ、勇気だろうか。

【TV】調味料に関する情報

2010/02/04 (Thu)

大学の先生で、テレビ番組のピックアップ情報を出してくれている先生がいます。
録画できないんだけどテレビって意外と面白い事やるなぁって思いつつ、気が向くと活用。
1年半前の受講生でしたが、今でも回ってくる情報メーリスはチェックしてますね。

先生年度内のみ運用とか言ってたけど・・・
いつもありがとうございまーす!
フォントサイズ6のプリントともども、助かってまーす!

気になったのがあったので、見れる人は是非。

#5
▼ 2010/02/05 22:00~22:54 の放送内容 テレビ東京
たけしのニッポンのミカタ! あなたの舌もだまされている!?
ミシュランの3つ星レストランが世界一多い東京だが、果たして日本人の味覚
は本当に優れているのか?おいしさの秘密であるコクの正体や調味料大国の実
態を解明する。
ご飯とオカズを同時に食べる口中調味により生まれるおいしさの秘密コクの
正体を解明。また、素材が命と思われている日本料理も実は調味料あってこそ
という驚きの説も!?その市場規模は今や約1兆5000億円にもなりご当地ものや
液状化した調味料が大ブーム。更に“おふくろの味”にも変化が。何と若者に
とってはカレーが第1位となり、煮物や刺身にまでもカレー粉を付ける!?
カレー好き主婦も登場!
【司会】 ビートたけし、国分太一 【ゲスト】久本雅美、マリエ
【コーナーゲスト】西潤一郎(フードマエストロ)

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HN:
我丞
性別:
非公開
職業:
人の話きく人
自己紹介:
人間27年生。
セクマイ道7年生くらい?
心理臨床とセクマイと発達凸凹を応援するよ!

ここにあることばと存在が、私のプロダクト。
見て、わからないことは聞いて。

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Tamariba

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