やみ

人間の　大学生の日常は　よいものだとおもう
試験の度　出来事の度　会話の度
ささやかに　積み木するように
充足していくものを覚える

それは　望んでいた形をしていなかった
深さを包んだものとおもってた
これは違った　浅薄だ
趣味にはしる　今度こんなことをする　学科の話をする
表層だけを　ごっそりためた
出来事だけで　すすんでいく時間

ささやかな幸せを　日常化する　自分の存在
どれほどにも変わっていく　自分の存在　そこに
不自然に　置き去りにした空間　そこにもう一人
求めるものに　空白なまま
ずっと座って　居る


空腹感を覚える　欲しい　自分

空澄

星がまたたくための条件は幾つかある。

その一、空気がきれいであること。
その二、街灯がすくないこと。
その三、窓をあける勇気があること。


東京の空、沢山のネオン、開かない窓。
それでも僕は、行かなきゃ。

ひととせ

今年も過ぎていくね、この変な最終日が。
だってそうだろう？
日本人がみんなして「蕎麦を食わねば」という。
しかもあれ、知ってるかい。噛んだらいけないんだぜ。
丸飲みは感心しないよ。


　まぁ別に、この俺が何か言う必要はないのだけどさ、人間が自分で作った不思議なこの日はいまや全世界共通なんだとよ。それが云百年前からずぅーっと続いてて、毎年来る終わりの後に新しい何かが来て、違う何かが始まる事を期待してる。
　実際この数時間後に何か来るのかっていったら、そんなこと全然ないんだけど･･････あ、数年前、ミレニアムの区切りで恐怖の大魔王が落ちてくるなんて騒いでた事もあったっけ。あの時の一騒動、覚えてるかい？

　ねぇ、仮定で語る未来に振り回されて消耗するのはよせ、って言ったの誰だったかな。もしかしたら自分だったかもしれないけど、それでも少し考えたりしないかい？
　もし、自分が新しい一年に行かれなくなってしまったら。もし、元旦の朝日が自分の中のスイッチを切り替えてしまったら。あるいは、変わってしまうのは自分じゃなくて世界である君とか。
　笑っちゃうよ、ほんと。この前も、久しぶりに会った後輩に「ネガティブ」って笑われてしまった。変わってしまう何もかもが怖いくせに、全部をひっくり返したい性分だなんて、難儀で仕方ないぜ。

　新年がいままでと違う何かになってしまうことなんて、ないんだろね。
　今までとさして変わりはしない、でも、気持ちの上で区切りをつけて新しくなっていこうとしているのかな。いろんなことにガタブルしながら。

　ああもう、この際何が来るのでも変わるのでもいいよ。いっそ変わらないのもありだろ。全部まとめて、落し物せずに新しい年迎えれるといいな。


　それじゃ、また来年。

表現上の注意２

傍から見れば恋人同士が交わす言葉で、僕らは友達をかたる。
ぎょっとする通行人、一瞬傾くその場の空気、何にも知らない人には通用しない言語群だからね。

それぞれのバスを待つ夕方の市役所前、
惜しむような接続法で語られるプロポーズ。
あっさり許可して、受け止めて。
後悔も無く送り出す左手のバイバイ。

言葉遊びと本気混じりの、文学じみた台詞の応酬。
本歌取りして別の気持ちで、でも嗤わせない。友達ライフ。

表現上の注意１

表現上の注意


・君に伝わらない言葉で叫んでも、伝わりません。
・君の知っている言葉で説得しても、君には伝わりません。
・君が知りたくない言葉は、空中で分解します。

・君に伝えたい何かは、僕の辞書には載っていないみたいです。