思考社
いんふるえんす我丞の情報発信基地。
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笑い方の作法
どうやって笑ったらいいのかわからない。
だが、笑う方法は作為による物ではないはず。
笑うといっても写真用に笑うやりかたを
彼らはどうやって覚えてきたのか。
綺麗な事に変わりは無いのだけど、
写真でみるのと実際見るのとでは全く違うだろうし。
そういや、御葬式の写真って笑ってるものが主流なのかな。
仏頂面ですよどーせ。
記号化された帝王の手紙
帝都地下機関、ハルベルヌ機関統府主殿
やあやあ、久しぶりだね帝都地下在住の色ボケ学者殿よ。手紙の始めに持ってくるにしては物騒な話題なんだが地下栽培の人間に鉢植え自慢なんて野暮な事する気もないし。で、君に一つ聞きたいんだけどさ。古ベルヌ植物の一部に、 あ り も し な い 黒の箱の影響が出てるってどういう事かな?
黒の箱はマリア機構以前の、それこそ僕らの曾爺さんの14乗より前の話に出てくるぐらいの産物だ。今この国の気脈主になってる豊穣のマリア機構に対して、黒の方は“滅びの漆黒”なんて異名あるくらいだし、今無いって事はご先祖さんに壊されたか異界に持ってかれたかしたんだろうねぇ。
それにしてもマリア機構って大したもんだね。アレがあるおかげで僕らは今この国の王様やってられるわけだから、感謝も一塩ってところだよ。一体誰が作ってくれたんだろうな?
あ、話戻すから読むの止めないでよ。久しぶりに誰にも言わずに帝都の学院に査察しに行ったんだけどさ、こないだ領地にしたとこの少年が休暇で帝都の授業受けに来ててね。なんとこれがベルヌ系の植物反応の異変を調べていたんだよ。先生達が見向きもしない実験を必死に文献漁っちゃったりして、まるで僕の若い頃に似てるせいか、どーにも肩入れしたくなっちゃってさ。(もちろん、彼が将来有望な研究者になってくれそうだからこそ、勧誘してるわけだがね?)
彼、星かがりの機関見に行きたいらしいんだけど、案の定門前払い喰らったそうで。そーだよねーあの堅物が局長だもんねぇ無理無理。でも革命の時に僕に左遷されて以来仲悪いし、仲良くする気無いし。
というわけで、彼の為に紹介状を一通書いてくれないかな?表に出てこなくても以上に長命でも、存在自体が居るかどうか怪しくても、君の肩書きなら全研究機関が従うんだよね?お礼に僕のお手製ブルーローズを一鉢進呈するが、どうだい?この国に二人しか居ない帝王の一品。貰っておいて損はさせないよ。
表の世界は変わったよ。君がいつからどれほど見てないのかは憶測でしか無いけれど、ざっと見積もってマリア機構の誕生と同じ時期かな?先日も、組織に意志を飲まれぬ己を持ちうる者が僕に会いに来てくれてね。ほんと、時代は変わったよ。そうそう、こないだ帝都内も区画整備で綺麗にしたんだ。流石に歓楽街は消せなかったけど、それでも2割くらいは削ってやったかな。異界渡りの“爆発物”とかいうの使ってみたら、これがまた大雑把な代物で参ったね、威力は申し分ないんだが残骸が凄まじかった。
何年地上に出てないのか知らないけど、僕と奥方の革命の成果を見にこないか?浮遊島育ちのフヮリキとかいう果樹のパイが美味しくてね。んじゃ、気長に待ってるよ。
ハルベルヌ国帝王より 要らない愛を込めて
君
君が幸せになってくれれば、
僕はそれでいい。
君に幸せを知ってもらえれば、
僕はそれでいい。
君を幸せが取り巻いていれば、
僕はそれでいい。
君へ幸せが伝われば、
僕はそれでいい。
イヴ
私は、飼い猫だった。
良い、主だった。
私をよく可愛がり、見当も付かないほどの時間と
愛情と、
よからぬ知識を与えてくれた。
感謝している。
自分がどれほど愛されていたのかと思って
ふと、振り返ってしまい哀しい時期もあった。
だが、
それは、
双方の幻想に過ぎないと
結局そこに辿り着いた。
あの家を出た後、
自分は野良になった。
自由ではなかった。
あの時に捨てた名前で
あの時に捨てた名前が
すてておいたはずのなまえが
自分を呼ぶようになった。
気がついたときには、
名前を見失っていた。
自分がこうあろうと戒めた名前は持っているけれど、
そのようには在れない今があるから
それはそれで自分の物じゃないのと
同じだった。
かつて己は、
何度も名前と自分を捨ててきた。
呼ぶ人も変わった。
そのうち、
何故呼ばれるのかも分からなくなり
呼ばれているのが何なのかを消失した。
世界は私を御所望でない、
自分自身を望む物は何一つとて無い。
いろいろと気がつき始める。
綺麗な毛並みをした仔は良い。
整った骨格を持った仔は幸せ。
私は無いものねだりをしたくはなかったし
実際しなかったけれど、
うらやむ事はしばしばあった。
自分自身に求められる物を生まれながらに持っているなんて。
今は、
自分自身すら本当の事を望めぬまま、
名前の無い野良猫のまま、
それでも、生ける事を知った。
知恵の実は
惰性と色情を与えはしたけれど、
自分の中に奪いはしなかった。
幸いなるかな
実に奪われしは天地の養分。
良い、主だった。
私をよく可愛がり、見当も付かないほどの時間と
愛情と、
よからぬ知識を与えてくれた。
感謝している。
自分がどれほど愛されていたのかと思って
ふと、振り返ってしまい哀しい時期もあった。
だが、
それは、
双方の幻想に過ぎないと
結局そこに辿り着いた。
あの家を出た後、
自分は野良になった。
自由ではなかった。
あの時に捨てた名前で
あの時に捨てた名前が
すてておいたはずのなまえが
自分を呼ぶようになった。
気がついたときには、
名前を見失っていた。
自分がこうあろうと戒めた名前は持っているけれど、
そのようには在れない今があるから
それはそれで自分の物じゃないのと
同じだった。
かつて己は、
何度も名前と自分を捨ててきた。
呼ぶ人も変わった。
そのうち、
何故呼ばれるのかも分からなくなり
呼ばれているのが何なのかを消失した。
世界は私を御所望でない、
自分自身を望む物は何一つとて無い。
いろいろと気がつき始める。
綺麗な毛並みをした仔は良い。
整った骨格を持った仔は幸せ。
私は無いものねだりをしたくはなかったし
実際しなかったけれど、
うらやむ事はしばしばあった。
自分自身に求められる物を生まれながらに持っているなんて。
今は、
自分自身すら本当の事を望めぬまま、
名前の無い野良猫のまま、
それでも、生ける事を知った。
知恵の実は
惰性と色情を与えはしたけれど、
自分の中に奪いはしなかった。
幸いなるかな
実に奪われしは天地の養分。
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己
HN:
我丞
性別:
非公開
職業:
人の話きく人
自己紹介:
人間27年生。
セクマイ道7年生くらい?
心理臨床とセクマイと発達凸凹を応援するよ!
ここにあることばと存在が、私のプロダクト。
見て、わからないことは聞いて。
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